平成19年8月19日 浅草岳前岳

 旧ネズモチ平登山口まで車を乗り入れ、登山道の草刈を開始。
水気の多い所にはアブラガヤやエゾシロネが繁茂している。
順調に刈り進み、二つ目の沢を越えた所で昼食とする。ここは団体ツアーなどで特に決まって休憩する場所である。
周りにブナの大木がたくさんあり、気持ちの良い空間である。
空は曇り、風があり、木の葉がさわさわと心地よい音を奏でる。
久々の山であり、山の空気やブナの敬虔な趣に無性に癒される。
 昼食を食べ終え、準備を整えていると女性2名が正午を過ぎた頃登ってきた。
遅くなって登ってきたので、少し焦っているようであった。
荷物を背負い、草刈機のエンジンをかけようとするとやたら直ぐ傍でセミの鳴き声がうるさい。声の正体を確認すると、オニヤンマがセミの頭の側面に食らいついている。セミはじたばたと足掻いているが、オニヤンマは死んでも離さないぞ!と言わんばかりの体制である。
 薄暗い登山道には、イブキゼリモドキがたくさん繁茂し秋らしい風情が漂っている。
ブナ曽根あたりまで行くとオヤマリンドウが綺麗な紫色を見せている。
 浅草岳山頂を眺めることが出来る地点1400m付近で作業を止めようか、前岳ジャンクションまで行って止めようか決めかねていたが、とりあえず燃料が底をつくまで刈っていようと続ける。
前岳ジャンクションの直ぐ近くまで来た所で、燃料はガス欠。ここに草刈機をビバーグさせるつもりなので、エンジンが冷えるまで前岳付近を散策することにした。
ジャンクションでは未だキンコウカが少し残り、代ってイワショウブが咲き始めていた。キンコウカは夏の花であるがイワショウブやリンドウ、イブキゼリモドキは完全な秋の花である。
前岳直下は窪地となっていて、そこに多くの降雪があり、この間まであった筈である。そこら辺にはポツンポツンとイワイチョウの花が白く咲いている。
スゲの仲間が遅い花を付けているのも見られた。
 5時になり、下山に掛かる。
夏になりたての頃は、今頃の時間帯はヒグラシの海のようなざわめきであったであろうが、今は時折りエゾゼミのささやかな声が少し残るだけである。
とても静かだ。
第2回目の発生であろうかブユが多い。
 明日は、旧桜曽根登山口まで車乗り入れし、そこから歩き残りの作業を行なうことにする。
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