6月14日 六十里から浅草岳(+嘉平与のボッチまで)

 六十里越7:25  マイクロ中継局8:07  吹き峠分岐8:20  南岳(1345m)8:50
鬼ヶ面山9:12  村杉ガッチ(北岳)9:35  ムジナ沢ガッチ10:02  浅草岳10:45
嘉平与のボッチ11:05  前岳JC 11:20  ムジナ沢ガッチ11:50  村杉ガッチ(北岳)12:42
鬼ヶ面山13:07  南岳13:30  吹き峠分岐13:55  横倉沢14:25  国道252号14:55
六十里登山口15:12

 六十里の登山口には一台にワゴン車が停車していた。
マイクロ中継局までは、電力会社の関係の草刈が施してあった。
このコースは数年ぶりである。長年不明であった植物、タガネソウが沢山ある。
ここのところ、随分とシロを伴う山行きがなく、今日はシロを連れている。しかし、メジャーな山域のためリードを離す訳にはいかない。シロがぐいぐい引っ張ってくれるのも多少足しになるのであろうか、マイクロ中継局には45分も掛からず到着した。マイクロ中継局には、新たに二枚の大きな反射板が建設されていた。
 気温も高くなく快適だったが、徐々に気温が上がり、エゾハルゼミのうるさい鳴き声がしてきた。
しかし、眺望は良い。日光白根山や尾瀬燧ケ岳、飯豊も見えている。
吹き峠分岐から鬼ヶ面山の稜線に向けて進路をとる。ここらへんは地形が平らなためか遅くまで雪が残る所である。雪はほぼ解けていたが、雪解け相応の花が咲いている。
 稜線の南端に出れば、浅草岳のどっしりとした景観が目の前に飛び込んでくる。一登りで、南岳に着く。
新たに看板が設けられ『南岳1354m』と書いてある。
いよいよヒメサユリはあるはずだが、と見回すがなかなか開花しているものがない。しかしながら、ベニサラサドウダンなどの花も楽しめ、このルートからの花鑑賞は何時来ても楽しめる。
 鬼ヶ面山までは2時間足らずで着いた。ここでオニギリを1個食べ、シロにもドッグフードを与えた。
ブユがきちがいの様に集ってくるが割と刺されない。
 村杉ガッチ(北岳)手前の岩窟に、オニガツラゼキショウがあるのだが未だ開花していない。ちなみにこのオニガツラゼキショウなる植物は存在しないのであるが、いろいろ調べても適当な種名が解らず・・しかもかなり小さいという地味な植物である。このオニガツラゼキショウ、花は付けていないが、葉は展開していた。
 村杉ガッチを越え、ムジナ沢ガッチ手前のピークから、この山塊特有の高山系の植物を岩壁に見ることが出来る。運よくユキワリソウ(サクラソウ科)とツガザクラが群生していた。そこに濃いピンクのコイワカガミが一緒に生え、美しい。残念ながら傍まで行けないので、双眼鏡を持参すればよかったと悔やんだ。ほかにもハナゼキショウのような植物がちらほらと見られた。
途中、かなりのシラネアオイ群落も見ることが出来、これにヒメサユリが加われば、見応えはさらに増すであろう。
ムジナ沢ガッチを過ぎる辺りから、ニッコウキスゲの半開したものも現れ始めた。
ここからは、前岳を目指し、ひたすらじっくりと登ることになる。
ネズモチジャンクションでは雪が残り、かなりの登山者があちこちに点在し、賑やかだ。知人や他の登山者に声を掛けられ、挨拶をしながら歩き山頂に立つ。
 山頂では手を合わせ、嘉平与のボッチまで下ることにした。
嘉平与のボッチ付近のシラネアオイも沢山の花をつけていた。ここのヒメサユリも赤くなり始めているが、開花しているものはない。
途中、群馬から来られた方に聞くと、ネズモチ平登山道のブナ曽根付近のヒメサユリはそろそろ咲くであろうと言っていた。
 前岳から折り返し、六十里越方向に進路をとる。
ムジナ沢ガッチを過ぎたピークでゆっくり昼食タイムとする。20分ほど休憩し、村杉ガッチ目掛けて登り返しとなる。これが結構急登で、このルートのピストン登山の正念場である。
植物観察をしながら、ゆっくり帰るつもりであったが、雨が降り始め植物観察などどうでもよくなってきた。
山菜でもあれば採っていきたいと思い、吹き峠から少し行った所の送電線の巡視路を下ることにした。
ここを下れば、ショートカットされて適当な所に道が繋がっているのであろうと下り始めたが、方向がどんどん横倉沢方面へと向かっている。大分下ってしまい、ここから登り返すのも厭なので、あまり整備されていない巡視路をどんどん下った。途中、目的の山菜はあったが、硬くて使えそうもない。この巡視路は今は使われていないというか、管理されていないようだ。以前は管理されていたのであろう、アルミ製の階段が朽ち果て、鎖まで施されてあった。この道はさらに沢を越え、裸山の方向へと登り返しになっている。このままこの道を辿れば裸山近辺まで行ってしまうので、このまま沢を下降する事にする。
横倉沢を下れば、国道252に出るのは間違いないが、結構距離がある、なかなか着かない。
釣りのポイントには良いかんじであった。
左手に杉の植林地が現れ、途中で作業道の名残りのような道が現れた。そこを下って行くと現在国交省発注の砂防ダムが現れ、直ぐ国道に出た。国道を20分ほど歩き、登山口に着いた。
 帰ってから、シロにキンチョールを掛けてやったが、ダニに多少効果はあるのかどうだか・・・。

開花していた植物
ミツバオウレン・ミツババイカオウイレン・ニッコウキスゲ・ウゴツクバネウツギ・シラネアオイ・ベニサラサドウダン・ウラジロヨウラク・コヨウラクツツジ・ツガザクラ・ハクサンイチゲ・イワカガミ・オオイワカガミ・オオバキスミレ・ショウジョウバカマ・イワウチワ・カタクリ・チゴユリ・マイズルソウ・ヒロハユキザサ・ハナゼキショウ?・ツガザクラ・ヤマグルマ・ユキワリソウ・タケシマラン・オオカメノキ・タムシバ・アオダモ・
ツルシキミ・ヒメアオキ・タニハコベ・チゴユリ・ゴゼンタチバナ・アカモノ・ツバメオモト・コミヤマカタバミ・エチゴキジムシロ・ヒメ蕾ETC

@コース状況は特に問題なし。切れ落ち部分の強風時通過の際は注意。
A花は美しい。特にベニサラサドウダン・シラネアオイ・岩壁ではツガザクラとユキワリソウとハクサンイチゲ。
  ヒメサユリは今頃必ず咲いている筈なのだが、雪解けが早い割には未だだった。あと10日前後でこの    コースは咲く始めるであろう。
B本日登っていた登山客に聞いてみた結果、ネズモチ登山道にブナ曽根のヒメサユリは近いうちに咲くのではな  いかという見解であった。
C桜曽根ルートの嘉平与のボッチのヒメサユリはあと10日前後は掛かると思われる。

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