2015年4月16日 浅草岳山スキームジナ沢滑走

 今月分の自然環境保護パトロールと、近日中に行われる浅草岳2015二回目スキーツアーの下見にと出向いた。
旧ホテル大自然館前には3台の車が停車され、その奥も除雪が行われており、白崩沢橋袂に3台ほど路駐されていた。
 先月は3月18に登っており、ほぼひと月ぶりとなる。雪もある程度締まっており、割とぺースよく登れる。
ヤジマナ沢左岸940pは、一部薄氷のような雪しか残っていない。おそらく日曜には、ほぼブッシュが出るであろうと思われ、5〜6メートルほどスキーを脱着する必要が生じるかもしれない。
以降の、ヤジマナ沢左岸尾根はほぼブッシュ帯となっており、アイヨシ沢右岸よりを歩くことになる。
1484.7嘉平与のボッチまでの尾根もだいぶブッシュが露出しており、ムジナ沢側をへつる様に進路をとる必要があった。
嘉平与のボッチの右手斜面(ムジナ沢源頭付近)は雪はついていたが、数日前に新雪が降った後のクレバスを先行者が踏み抜いた痕跡があった。穴は浅いようなので、無事上がったようである。
 前岳から山頂にかけてもだいぶブッシュが露出しており、直下のテラスはすっかり雪がなくなっていた。
私は無理やり只見方面に進路をとり、シール登行してみたが、テラスでスキーを外してツボ足で登った方がはるかに速いようだった。


 
 浅草岳山頂から前岳
 
 山頂から早坂尾根
おそらく入叶津からの山頂直下ルートはかなり雪が残っていると考えられ、早坂尾根を利用したツアーは十分可能と考えられる

 久々にムジナ沢を降りてみたいと考えていたのだが、かなり昔のことなので、滝の位置が少し心配であった。
さいわい、先行者三名が前岳からムジナ沢源頭に滑走した跡があり、それを辿ることにした。
標高1000以上は幾日か前の新雪があったとようで、あれほどの急斜面でも急ブレーキをかけたようで滑走性が極めて悪い。
あまり格好良くないが、安全を考慮し、ツーステップターンで滑走する。
 10年以上、この源頭に降りたことはなかったが、実にひさびさの源頭である。

 
 前岳直下滑走バーン
 
 上部を黒くしたピークは嘉平与のボッチであろう


とにかく、新雪がある区間はことごとく滑らない。こうなるとスキーはただの移動手段でしかない道具と化す。
しばらくすると、ぽっかりと穴の開いた部分が現れた。
先行者はここを左岸側に高まきしている。何でこれだけの穴に高まきしているのだろう?と不思議に思ったが、その下部50mほどの所に滝が現れた。
ずいぶん昔のことなので、すっかり記憶があやふやになっていたようである。

 
 最初に現れた沢の穴
 
 これがムジナ沢の滝でした。向かって右斜面を高まきしています
 
滝右岸の斜面状況 

この滝を過ぎると、新雪はほぼなくなり、緩斜面ながらも結構楽しく滑れた。
いろいろと、技術を試しながら滑走でき、いい経験になった気がする。
 この滝を少し過ぎると、谷は狭くなり、左岸側が岩状になった場所があり、ここはよく覚えていた場所である。
更にしばらく調子よく滑走していると、昔この辺からトラバースしたような気がするなぁ〜、という場所に着いたが、先行者三名はどんどんムジナ沢を下降しており、どこか良い場所に取り付く場面があるのだろうか?と興味本位で辿ってみた。しかし、沢はいくつか穴が開く場面がところどころ見られるようになり、突然先行トレースが停止し、ツボ足で杉植林方向へと登り返した跡があった。
 すべて想定内だったが、やはり昔のツアーコースはしっかりとした意味があったのだとつくづく感じた。
 ここからシールを取り出して付けるのも面倒くさいし、スキーを担いでまで必死になりたくないので、そのままだらだらと少しづつナチュラル登行をすることにした。
結局小1時間、登り返し、昔のクラシックルートの一部に取り付いた。

 
 正規クラシックルート下山コースは前方杉植林地右を巻いてひたすら横移動となる
 
ゴールはもうすぐ 
 
最後のヘツリ。ここはまだ十分雪が多い 

今回は、山スキーとしてはあまり楽しいものでは無かったが、新たなる浅草岳山スキーの可能性として、別ルートをたどる企画も十分面白いと感じた。
そもそも、三笠宮殿下が訪れたと言われる昭和30年代に、このムジナ沢山スキールートが定番化されたわけで、それが白崩沢ルートにとって変わられて久しいが、雪の状況に合わせて変更するのも面白いかと思う。
可能であれば、早坂ルートもプラスしたものも企画できればなお良し。

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