2010年5月5日桧岳

 メンバーは栃尾Aさん兄弟とお客様のIさんと私の計4名。ただし、栃尾Aさんは百字ヶ岳から真っ直ぐ毛猛山へ。私とIさんはそこで分かれて桧岳へ向かう計画であった。
ルートはいつもの542〜762〜足沢山・・・の尾根を用いた。
 4:50に足沢口を出る。Aさんが言うには、「我々の直ぐ先に単独行の人が登っていった」と言う。
 私先頭で歩くが、体も重く余りピッチが上がらない。ただ、若干542にかけての斜面ヒドに雪が残っていて、それを拾いながら歩けた。そのまま殆ど休まず、762で大休止とした。
 先行単独行者はすでに姿もなく、足沢山の尾根歩きの途中で、すでに内桧の分岐辺りを歩いていた。彼を称し、その後仙人と呼んだ。
 途中で、Iさんが体調不良とのことで、足沢山でバックし奥様から迎えに来てもらうという。会話をしているとなにやらアルコールの芳がし、まだかなり体内に残っているようであった。Iさんはコースも何度か来ていて熟知しており、帰路についての不安は全く無いので了承した。Iさんと別れ、栃尾のAさん達に追いついた。
 足沢山に差し掛かる頃、前泊したと思われる3人組の登山者とスライドした。山頂からしばらく行くと、先行者が太郎助山に着いたのが見えた。まさに仙人である。
 内桧分岐に差し掛かる部分では、多少雪が割れているもののいつもの薮歩きに較べれば楽なものである。そのまま、太郎助山直下までほぼ雪が踏めた。太郎助山直下のブロックも割れておらず、近来にない好条件である。
 太郎助山から百字ヶ岳までは極めて良好に雪が付いており、2005年毛猛山行と同程度の好条件だと感じる。百字ヶ岳までは僅か25分掛からずで着いた。
 百字ヶ岳からは単独である。なるべく早めに戻りたいと思い早足で下る。雪も状態も良いし、相当早めに戻って来れるのではないかと心が躍る。しかし、1350付近の丸山のヤマグルマの矮小木に阻まれ一気にトーンダウンする。 それでも、何とか1時間強で着いた。
 Aさんから渡されたトランシーバーで、今山頂に着いたと連絡。Aさん達は山頂直下の薮を攻略中との連絡であった。私が桧岳に到着してから15分後位に毛猛山に着いたようである。
 山頂で画像を撮りこみ、飯にする、が食欲は全くない。暑さと疲労が一気に来たようで、なかなか回復しない。百字ヶ岳へは帰りの方がきついため、早々に出発するとAさんに連絡し、出発する。
 前回、桧岳へ行ったのは9年前であり、もっと条件は悪かったが、雪の着き具合はさして変わりないと記憶していた。ただ、今回はさらに多く、ちょっとしたナイフエッジになっている箇所もあり、単独で歩くと少し恐怖心を感じる。そして極めつけは猛暑である。
 息が上がり、何度も休む。目の前には膨大な1350の大藪があり、目がくらくらしてくる。体調と相談しながら、とにかくゆっくりと少しづつ攀じ登ってゆく。強烈な急斜面なので、木に掴まりつつ体を下に潜り込ませる。全く毛猛の薮より酷い。それに鉈目は皆無だからより厳しい。
 何とか薮を脱出し、再び休む。休んでは歩き、休んでは歩くということを繰り返し、行きの倍ほど掛かり百字ヶ岳に着いた。
 毛猛山でのんびり宴会してきたと言うAさん達は、余裕で百字ヶ岳で休んでいた。Aさん達と会話したりしているうちに、次第に体が楽になってきたようだ。
 太郎助山から下りながら、下山者の足跡を見ると、二人分の足跡が有った。どうやらIさんは足沢山から体力を復活させ太郎助山まで来たようである。単独行の仙人さんは、今頃守門にでも登っているだろうと、まんざら有り得ない話ではない冗談を言う。
 はるか遠くに足沢山は見え、途中のアップダウンを大幅カットしてへつりで行こうと言うことになった。
 日照は弱まらず、へつりでさえも息が上がり、延々と足沢山直下800m台までへつり続けた。内桧の辺りのブロックは孕んでいたのは遠くからではあまり解らなかった。ぱっと見でへつるのはあまり良いことではない。
 後はゆっくりと車まで戻った。
 桧岳の方が毛猛山より条件は厳しいとつくづく感じた日であった。また、毛猛山から前毛猛山の稜線過去2回半しか至っておらず、この稜線もなかなか捨て難い。来期は大鳥沢から入り、前毛猛〜毛猛〜足沢下山の周回を再び行ってみたい・・などと、一晩寝てしまうとまたそんな考えが発生してくるだから困ったものだ。

車4:50  542p5:10  762p5:45  発5:55  足沢山7:25  太郎助山9:10 発9:15  百字ヶ岳4:40 発9:45
桧岳10:50  発11:20  中間地点1350大藪手前12:00 発12:45  百字ヶ岳13:30  太郎助山14:00
足沢尾根800m付近15:25  762p16:25  車17:15

762pから足沢山
2008.5.10 762pから足沢山
762pから太郎助山
2008年5月10日 762pから太郎助山
桧岳から中岳・毛猛山
桧岳より左から太郎助山・百字ヶ岳・毛猛山
百字ヶ岳〜桧岳稜線鞍部から百字ヶ岳方面
稜線途中の足沢山と守門岳
黒又第二ダム湖
稜線途中の1350ピークの猛烈薮
鞍部より桧岳全容
太郎助山から毛猛・中岳
太郎助山から桧岳を振り返る

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