2009年11月1日八十里越え

 大雲沢主催の八十里越え2回目の日であった。正式参加は当初4名だけであったが、どうしても泊まる事は出来ない方が御一人、岩登りに来ていたご夫婦が急遽参加となり、計7名を乗せて吉ヶ平に向かった。
 吉ヶ平山荘には車が2台停車されており、山荘脇には新しい守門岳への登山口が設けられていた。この登山口は前の日に新潟日報で報じられていたので知っていた。吉ヶ平から網張山に至り、そのまま入塩川登山道に合流するものである。
 参加者の中には若い方も居られたが、私より20歳年上の方も居られたので少し心配していた。しかし、日々足を鍛え長距離も歩いているとのことでコースタームは順調だった。
 10月の初旬に歩いたことはあったが、11月に入ってから八十里を歩くのは初めてであったが、素晴らしい紅葉である。欲を言えば一週から10日ほど早ければ最も美しい紅葉であったと思われるが、散り際の紅葉はさらに物悲しく心に迫るものがあった。
 火薬跡から下りに入り、ブナの素晴らしい原生林があるのだが、その平地に二つほどテントが張ってあり、これから片付けて行動するようであった。9時を回っていたので、昨晩は随分遅くまで楽しんでいたのであろう。世知辛い山旅なんてしないんだよ・・・・と言いたげな、『早いね』と言う言葉が耳に入った。
 急遽参加したメンバーには、小千谷の森山君もいた。彼はすっかり菌ラーになってしまい、参加者に菌の講釈を惜しげもなく話している。キノコと言うものは、それほど人の心を捉えるものなのであろう。菌ラーでありギター小僧でもある変わり者だ(失礼・・・)。
 鞍掛峠には約5時間要したが想定外に早く着き、ここでゆっくり昼食とした。風が冷たく晩秋の風であった。休憩後小松横手あたりから、暗雲が立ち込め薄暗い厭な天気となってきた。心なし少しペースは上がり、松ヶ崎で雨具を一応着てみる。霧雨のような雨なので体が熱く汗ばんでくる。
 滑沢のような所を過ぎ、最後の休憩とした。天気予報どおり、午後3時になると確りとした降りとなった。
 午後3時半に車道に着き、そのまま車道を歩く必要がなくバスに乗車した。
 八十里は今回で15回目となる。およそだが、コースの概略は解ってきた気がする。そして、今までは長く辛いコースだったものがコースが解ることによって、色んな楽しみを見出すことが出来ている。辛い歩きが楽しい歩きに変わってきている気がするのである。よって細かくコースタイムを管理できるようになり、同行者の疲労度を見ながら調整できるようになってきたと思う。
 今年に限り、お客さんの要望で、八十里越えのリクエストがなかった初めての年である。八十里越えそのものコースは程よく整備され、以前のような薮道はない。そのことが原因の一つなのかもしれない。よって、今年は自分から募集してみたのだが、予想は限りなく参加ゼロを考えていたが、ありがたい事に予想は裏切られ、ほぼ定員近くまで埋まってしまった。けっして効率の良い仕事ではないが、八十里越えに恋焦がれている人々も多々居り、そんな方々の役に立てればと思う。

以下今回のコースタイム
吉ヶ平奥墓地駐車場6:05  椿尾根7:02  7:17  山ノ神7:55  番屋乗越し8:10  8:20  火薬跡8:52
ブナ沢9:22  高清水沢9:36  9:45  空堀9:57  桜の窟10:08  殿様清水10:25  鞍掛峠11:00  11:20
小松横手11:43  田代平12:05  木の根峠12:42  12:55   松ヶ崎13:30  大麻平(車道)15:30
今回は車道歩きなしで計9時間30分

網張山経由の吉ヶ平守門岳登山口正式ルート 椿尾根を過ぎた辺りの紅葉
番屋乗り越し近くの紅葉 番屋乗り越しを過ぎてからの大谷ダム方向の景色
火薬跡下ブナ沢手前のブナの巨木林 ブナ沢手前の原生林
殿様清水から仰ぎ見る烏帽子山と烏帽子の鼻 小松横手から見る浅草岳と村杉沢ガッチ
小松横手から見る左から黒姫・袴腰・烏帽子山への稜線一部 田代平近辺の落葉してしまったブナの原生林
ミズゴケだけが緑を保っている田代平湿原
車道手前の紅葉
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