2009年3月22日 守門大岳

 朝天気をチェックすると、午前中くらいは持ちそうなので大岳に行くことにした。早めに行って早めに帰り、日本文理高校と清峰の試合を見ようと思っていた。
 下り坂の天候となるため、あまり山スキーヤーは居ないものと思われたが、二分の終点には10台以上の車が停車していた。刈谷田ホテルのワゴン車があったので、旧栃尾市の雪庇ツアーのイベントであろうと思われた。
 7時30分に歩き始めた。私より数分早く50代後半と思われる方が歩き始めていた。追いつこうと足を速めてみるが、かなり速いペースでなかなか追いつくことは出来なかった。
 いつもショートカットコースは既に雪は付いていなく、そのやや右手の土砂崩れ防止用と蛇籠が施工されてある所から登るようにコースが変更されていた。しかしそこでも10数メートル板を外す必要があった。50代後半スキーヤーはやはり早くここでも追いつくことは出来ない。
 ミズナラの混んだ尾根を過ぎると堰の平らな道形に出る。ここでようやく50代後半の山スキーヤーにかなり近づくことが出来た。特に無理して追っかけていたわけではないが、なぜか前に人がいるとペースが誰でも上がってくるのではないだろうか。堰から上の小沢はさほど開いていなく、昨日の踏み跡が硬くなっていて歩きやすい。
 少し暑くなってきたので、雨具をとりあえず脱いで間食する。間食をしている間に早速雨が当たってきた。雨具を脱いだのを再び着る。50代後半の方も少し先で休んでいた。『降って来ましたねぇ』と互いに挨拶する。
 50代後半の方はここで少し別のコースをたどったようで姿が見えなくなった。栃尾からの林道と守門からの林道の合流部では後続は見えず、50代後半の方は帰ったであろうと思っていた。
 保久礼小屋までは1時間15分掛かった。保久礼小屋では栃尾のイベント参加者や関係者スタッフが20名ほどであろうか、大休止で各自寛いでいた。天候がこの状態なので、ここで撤退するのであろうかと思っていた。その場合は、この先自分1人で歩く事になる、雨は横殴りとなり少し心細くなってきた。厭だな、と思いながらももうちょっと先へと登っていった。
 保久礼小屋から雨風は増し、汗もかかなくなってきており、疲れはあまりなかった。さほど苦労もなくキビタキ小屋が見えてきた。3月初旬の知人のホームページのキビタキ小屋の画像では、屋根がかなり露出していたが、今日もそれと大差なかった。あれから少し雪が降ったりしたので、あまり少なくならなかったのであろうか。
 不動平への登りも風が強く歩きにくかった。不動平の平らなところを歩いていると下方から1名登ってくる登山者がいる。俺だけじゃなかったんだな、と少し安心する。
 大岳直下近くまで来るとさらに風は強まった。体が持っていかれそうになる。このまま大岳山頂まで行くには、かなり風が強く、山頂でのシール外しはトラブルの元なので、中津又側の雪庇の陰でシールを外した。シールをまとめ、ザックにしまい、板を担いで山頂まで行くことにした。
 山頂まであとほんの100mくらいだったであろうか、突風のような風が吹き、山頂参りは止めた。山頂手前まで約2時間半弱であった。すぐ板を履き、直ちに滑降。相変わらず、インサイドが踏めないブーツで何とか対策を講じないとまずいなと思いながらも、工夫しながら滑る。
 不動平から下方を滑っていくと、なんと保久礼小屋に居た集団が登ってきていた。中止にしては、長峰を歩く姿はないし、保久礼小屋でまったりと豚汁でも作って宴会でもしてるのであろうかとてっきり思っていたが、決行だったようだ。かなりぞろぞろと登ってこちらを見ている(ように思えた)ので、なるべく母川寄りを滑った。一応、必死にショートターンで滑っていたので、不恰好な滑りではなかったであろうと安堵する。どうもこの用具は滑り出しの時の感じが掴めず、いつも苦労するのだが、何ターンか既にしていたので調子は徐々に良くなってきていた。
 キビタキ小屋近くになってくるとツリーランとなり、かなり小さめのターンで対応しないといけない。歩いた痕や色んなトレースがごちゃ混ぜ状態になっている雪面はでこぼこして滑りずらいが、ストックを早め早めに付き、膝のこねくり回しターンで対応した。もう、雪面を捉えるとかグリップが如何だとかという薀蓄を語っている場合ではなく、とにかく小さく回るのみという、一種ど根性強引ターンで次々とツリーランをこなした。さすがに小回りの連続を断続的に行ったので、息が上がった。下部の痩せ尾根でも根性で小回りをやり続けた。
ストックを付けば足がそれに反応し、ターンを誘導してくれるのである。まさに保久礼小屋までは格闘技のような滑りで滑り降りてきた。
 なんと、大岳直下から保久礼小屋まで10分で着いてしまった。長峰の尾根から上を見ると、不動平の上に大勢が張りついて居るように見えた。あの強烈な風の中、山頂まで行ったであろうか。
 長峰から下は、気温は上がっていないため昨日のトレースが程よく締まっていてとにかく良く滑った。帰りはだるくもならず、最後までスキーは走り続け、あっという間に駐車場まで着いてしまった。のぼり2時間30分、下り30分というあほみたいなタイムで着いてしまった。
 帰って早速テレビを点けると甲子園は中止だった。

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