12月15日 静岡県大高山・横尾山&経塚山

 前日友人宅に泊まり、朝から北上し近くの里山を登ることにしていた。蕎麦粒山辺りを狙っていたのだが、少し遠いので半日の活動時間とし里山としたのである。
 前日から道路マップを見て、横尾山辺りにしようかと決めていた。未だ夜が明けぬうちから国道探しをしたりして結構迷い、結局夜が明けた6:40から登り始める。登り口もあまりはっきりせず、うろうろと探した。
鉄塔の近くに小さな看板が出ており、横尾山のさらに先に経塚山があり、合計で2時間ほどで至れる旨の看板であった。
 雪が降らないのであろう、コナラのような木の小さな物までまるで曲っておらず、直立している。蔓類もなく、ひたすら直立しているから道以外の所でも薮に見えない。スカスカなのである。上に行くと、檜や杉の植林地で占められ、まったく太陽の光が入らぬ暗鬱とした道となった。これは間伐を行わないからであり、林の密度が濃すぎるためである。林床には草も木もない、典型的な不良造林である。木の成長は妨げられているが、これはこれでこのスカスカ感も独特の雰囲気はある。
 山頂と言っても、植林地の小高い場所が山頂で、まったく眺望はない。そこからさらに平らなところをどんどん行くと一旦林道の名残のような地形に出て、さらに経塚山へと向かっているようだ。何しろ眺望がまったくない山と道なので、どこへ向かっているのかも解らない不思議な国に迷い込んだかのような気分になった。経塚山の山頂もやはり植林地のど真ん中でまったく眺望はなかった。
 横尾山まで約30分、経塚山でも30分強、合わせて1時間強で両山へ登れた。折り返し、2時間弱で横尾山登山口へ着いた。
 ウオーキングの延長のような山歩きだったので、近くの大高山へ向かった。入口がどうも色々あるらしく、ここもあっちに行ったり色々と入口を探したが、車を停車できるところは一番行程の長い箇所らしく、茶畑の入口に小さなスペースが空いていたのでそこに車を停車させる。茶畑は、比較的斜面に沿ったところを必要とするらしく、収穫にはモノレールや滑車のような物で運搬するようで作業小屋などが何箇所か見られた。新潟では見られない、わけの解らない樹木や草があり、なにやらけったいな気分になった。不思議とそれが何なのかはまったく気にもならない昨今である。
 ところで、この山はハイキングの山らしく、登って直ぐのところに大高山まで4.5kmとの看板があり、ちょっとやる気をなくした。山道の4.5kmは長い。簡単に考えれば、山頂まで約2時間と読んだ。既に里山とはいえひとつ登り終えており、登る意欲はさらに低下していた。
 ある程度まで登ると、道は山を捲くように長い長い平らな地形となり、突然林道へと出た。やはりこの山も基本は植林地帯であった。林道をしばらく行くと馬王平と呼ばれる広い場所に出た。かなり古い昭和の頃の山の案内図があったが、解読できないほどであった。
 馬王平から上を見ると、なかなかきつそうな斜面があり、大高山のピークと思われる山容が間近に見えた。馬王平からは予想通り、山道となりまともな登山道と言う感じになった。馬王平から眺めた大高山が実は本当のこの山の核心部なのであろう、かなり長い坂が続く。坂の向こうに何かが見えた。あれが山頂か、いやそうではなく、大きな大きな反射板だった。反射板からも結構長い坂が続き、もう直ぐで山頂と思しき所で大高神社が祀られていた。
 神社で手を合わせ、ひと登りで山頂に着いた。この山は比較的眺望が開かれ、太平洋側や富士山南アルプスの一部が望めた。コンビニエンスストアで買ったアンパンをひとつ胃に収めた。山頂は832.1mとあり、標高差も700mくらいはあるらしい。入口から1時間40分掛かった。ハイキングの山とはいえ、なかなかきつい山である。折り返し、再び神社のところまで来ると、夫婦の登山者に遭った。熊避けの鈴を付けているので不思議に思ったが、下山後の看板に熊の目撃情報云々と言う看板があった。
 往複3時間程度の山であり、横尾山と経塚山とをあわせれば約5時間、丁度正午となりまずまずの山歩きと言えよう。車に乗り再び北上。川根温泉に入る。値段はいまどき安い500円だった。

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