2月19日 狩猟

 2月6日以来のフィールド歩きとなる。2週間も間が空くと、あまり猟欲は湧いてこない。ずっと雪が降っていたので、登るのにも苦労するであろうと思うと、さらに億劫になる。
 既に猟期は終了したが、野兎のみの駆除期間として猟が出来る事になっている。色々と車のドアを開けたり、準備をしていると、その気配を感ずるのであろう、シロはさかんに連れて行けと吠え立てる。シロを無視し、五味沢地区へと車を走らせた。
 元ホテル大自然館の車道終点に車を停める。元ホテルには、昨日私達がスキー指導した子供達が宿泊しているのであろう、昨日写真担当のカメラマンがカメラのスタンドを立て記念写真の準備をしていた。
 今日の足回りは譲り受けた大きな輪カンジキである。ただ、このカンジキは素人に近い方が手作りで作ったため、竹の輪は湾曲しており、紐もいささか短い。カンジキを付けて新雪に入るが、やはり深い。下手をすると2月2日の深雪以上の深さがあるのではないだろうかと思う。
道路から斜面を登り始めるが、極めて進まない。30度位の斜面では、銃の銃床をスコップ代わりにして前に進む。斜面では腰以上胸までほどある。時折り斜面途中に雪に埋まり切れない小枝が出ており、それをロープ代わりに使い、上部へと体を押し上げる。『このくらい深いのだ』と言う画像を撮り込もうとデジカメで撮影しようとするが、こんなときに限りバッテリー切れとなる。
所々にウサギの足跡が見えれば、それを張り合いにして登れるのだが、上部はまるで見えない急斜面であり、そんな坂を苦労して登る自分が滑稽にさえ見えてくる。
 僅か50mほどの標高差に1時間近く掛かる。平らな所に着くと、枯れたブナが雪を纏いオブジェのように立っている。既に枝は老木の為付いておらず、下から見ると素晴らしい景観だ。ちょっと歩くと、ミズナラやブナの大木がある。ブナにはヤドリギが付き、黄色い身とオレンジの実が未だ付いていた。ヤドリギの実は野鳥のキレンジャクやヒレンジャクが食べると言われているが、入広瀬でこれらの鳥を見た事がない。たぶん、こちらではヒヨドリが食べているのではないかと私は思っている。
 平らな所で、自分で握ってきたオニギリを食べる。鮭の切り身を大雑把に手でもぎ取り、具として入れてきたが、結構コクがあって美味かった。美味いのでついつい3個全部食ってしまった。腹ごしらえも終わり、上へ行く気力もないので、別のルートで尾根筋を下ることにした。ここの所の真冬並みの寒気で、尾根筋は風が強かったのか吹越が形成されている。吹越の大きなものは段差が1m近くあった。尾根筋近くにウサギの足跡が見え隠れし期待するが、尾根筋の足跡は全て風で消去されており完全な坊主を覚悟する。
時間は未だ正午近いので、これからもう一回りできないこともなかったが、1級品の深雪に猟欲は限りなくゼロに近かった。
ムジナ沢橋近くの道路の雪壁は、既に4m近くにまでなっており、いよいよ例年並みの積雪になっているようだ。
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