7月23日 黒姫

 無雪期に黒姫に行って見たい・・・ここの所数年来の目標でもあった。
しかしながら、ルートを何処にするかという難題があった。
立ちガラ岩からの藪尾根ルート・ゼンダナ沢・沢を用い、東に伸びる1155尾根・最後は鞍掛峠から黒姫山頂をダイレクトに結ぶ登り返しルート、この四つに絞って計画を練った。
当初、鞍掛峠からのルートは登り返しがあるので、全く考えてはいなかったが、色々と制約があり、このルートが山頂への登頂の可能性が高いと考え、急遽このルートとした。
しかし、当日ももっと合理的なコース選定が出来ないものかと、3人で相談をしながら現場に向かった。

今日の超マニアック登山参加者は地元の山仲間O君と小千谷のM君。
O君とはあまり山に行っていないが、前毛猛〜未丈経由、銀山平までの縦走を行った間柄である。
体もシェイプされ、体力は無尽蔵である。
 今日の本来のメンバーはM君と私であったが、急遽O君が参加となった。
M君は、この間荒沢〜兎〜中〜越駒の裏三山をこなしている。

 O君M君と田代平まで車で乗り入れ、7時から鞍掛峠に向けて歩き始める。
今回のコースは黒姫山頂を最短で攻略するコース選択であり、破間川方面(北東斜面)の大急斜面の岸壁目掛けて沢が伸びており、そこをを直登するものである。
途中の小松横手で地図を広げながら、コースを再確認する。
黒姫山頂直下の最も急な岩場へ向け沢が引かれ、雪渓が覆っている
 7時45分、魚釣り用の踏み跡のうっすらと付いた山道を破間川源流へ向けて下る。
田代平から約1時間半掛け、ようやく破間川へ到着。
 破間川本流は上流のためか防寒長靴でも十分渡渉できた。
入り込む沢も迷うことなく入渓。
雪消え間もない沢で、オオバギボウシやヤマウド、ゼンマイなどが出ている。
著しいのは、モミジカラマツであった。
やがて前方に、小松横手から眺めた雪渓が現れた。
ブリッジの危険などを確認し、登る。
雪は硬いがスプーンカットになっているため歩き易い。
二つ目の雪渓にかかると沢が二つに別れている。
前方には、屏風のようにスダレ鞍の岩が私達を圧迫する。
この沢はこれ以上は登るのは無理であり、クライム技術や用具がなければ登れない。
雪渓と別れ、雑木帯に入り込む。
目印を細かに付け登る。
時折り、何かの調査登山であろうか鉈目を見る。
鉈目は黒く腐り、大分古い事が解る。
途中、カモシカの獣道に助けられる。
 少しの草付きの部分には、ヒメサユリやゼンテイカが花をつけていた。
やがて、尾根は緩やかになるが、強烈な藪となる。
目印は頻繁に行い、鉈目も入れる。
全く現在地も特定できないほど、回りは酷い藪であった。
藪の数100m向こうに草原が見えたが、酷い藪であり誰も行こうと言わない。
藪を掻き分けどんどん進みたい所だが、位置確認がまるで出来ぬ藪なのでなるべく小まめに印を付ける。
 上へ上へと切り開きながら進むと、藪に埋もれた三角点を発見した。
まるで宝くじに当たったような偶然の三角点発見であった。
山頂は藪に埋もれ、景色は見る事は出来ない。
軽く記念撮影と食事をし、雲ゆきも怪しくなってきたので下山開始する。
途中でルートを見失う事もあったが、破間川までは何なく下れた。
破間川から鞍掛峠までは特徴のない地形であり、目印も曖昧にして下ったので苦労した。
結局、目的の場所から大分離れた箇所へ取り付いてしまった。
 鞍掛峠まで至れば、後は目印も必要ない。
山頂からずっと緊張のしどおしであったが、ようやくルートを心配する事のない環境になった。
最後に田代平に立ち寄りトキソウを鑑賞した。
小千谷のM君からビールを貰い、帰路に着いた。

田代平7:00  鞍掛峠7:45  破間川8:30  スダレ鞍下9:30  稜線直下10:00
黒姫12:00
黒姫12:10  破間川13:50  破間川14:00  鞍掛峠15:20  田代平16:00

破間川 1000m付近スダレ直下
山頂直下くそ藪 藪に埋もれた山頂
小松横手付近からのスダレ雪渓

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2006年山歩き