5月17日 五剣谷岳

悪場峠4:30 合流地点4:52 ?峰神様5:22  木六山6:00  木六山発6:20  水場7:30
銀次郎山8:17  銀太郎山9:03  五剣谷岳9:53  五剣谷岳発10:13  銀太郎山10:51
銀次郎山11:40  銀次郎山発12:00  水場12:25  水場発12:37  木六山13:47
木六山発14:05  ?峰神様14:35  合流地点14:57  悪場峠15:17

行き5時間23分 帰り5時間4分 全行程10時間47分 総休憩約1時間40分

途中の雪渓を歩く平井氏
前日午後5時に家を平井氏と出る。   村松の店に寄り、食料などを購入。
山仲間のKさんやYさんに色々と情報を聞き、難なく悪場峠に着いた。
悪場峠は闇の中静まり返り、星を眺めながら夕食と酒宴を行った。
静かで物音がない。
時折カエルとヨタカの声がする位。
平井氏の星座の講習を聞く。
 飲みすぎの体調不良の不安もあるので、私は先に休む。
平井氏は未だこれでは寝れないと一人でワインを飲んでいる。
 10時を回り2人とも床に入った。
寒くなく寝心地は良い。
幾度か起きたが、朝はさほど睡眠不足ではないようだ。

4:30頃から歩き始める。
歩くとすぐにへつりとなり、ミズナラの立ち枯れが夥しくある。
カシノナガキクイムシの影響であろうか。
鵺の正体と言われる、トラツグミの不気味な声が響く。
 しばらくして正規道の合流地点となり平らな所に出る。
シシウドに似た明日葉みたいな植物が沢山あった。
平らな所を過ぎると九十九折の急登を向かえる。
斜面の途中で山菜採りが休んでいた。
どこから来たのか?と聞くので守門岳山麓と応えると、遠い所から来たんだな、と返してくれる。
急登を越えると、気持ちの良い山道となり素晴らしいロケーションが続く。
 木六山へは1時間半で着いた。
山頂で山の同定を行って見るが、今一つはっきりしない。
木六山からは、下り気味に登山道は進む。
山道が素晴らしく整備されており、本当に気分が良く歩ける。
ミズナラの新緑やブナ、トウゴクミツバツツジ、タムシバ、ウゴツクバネウツギ、チゴユリ、キバナイカリソウ、センボンヤリ、巨大なイワウチワ。
イカル、クロジ、トラツグミ、サンコウチョウ、クロツグミ、シジュウカラ、ツツドリ、カッコウ、ジュウイチ、コルリ、ウグイス、など鳥も豊富である。
左手を見れば、大スラブの屏風が続く。
 私のイメージは、とって付けたような登山道が延々と続いているのであろうというイメージがあったが、見事に良い方に外れた。
景色や花、野鳥の声に押し上げられ比較的順調に歩いて行く。
鞍部から今度は急登がはじまる。
急登部分には、雪が付いていた。
雪は硬く締まり、ストックを横に付きヘツリながら確実に登る。
急登登りきると、平らな場所に出た。
七郎平の水場であろうか。
冷たい水があり、ペットボトルに補給する。
ここからしばらく雪を踏んで歩く事になる。
幸い、上に下に目印があり、迷う心配はない。
 やがて、目前にピークが現れ、銀次郎山かと期待する。
しかし、前方にいる平井氏がピークに立ち、確認するとここはピークではないと言う。
ニセピークのような頂を二つほど過ぎると、ようやく道標のある銀次郎山に着いた。

銀次郎山〜銀太郎山〜五剣谷岳  →奥は青里岳

銀次郎山からの五剣谷岳、銀太郎山は遥かかなたに見える。
この先、どんな状態かも解らないので、なるべく早目に出発する。

銀次郎山から青里岳稜線を眺めると後ろに守門が見える

銀次郎山を出ると再び下りとなる。
登っては下り登っては下る事を何度続けたであろうか。
たぶんこれは下りでも同じ事の繰り返しであろうと、帰りの事を考えるとなるべく早めに山頂に着きたい心境になった。

銀太郎山平井氏と、目指す五剣谷岳

銀次郎山から銀太郎山までは、かなり遠く見えたが、さほど時間を要せずに着いた。
銀太郎山から見る五剣谷岳は雪がそこそこ付いているように見えた。
この先は藪漕ぎだと言うが、大した藪でなければ良いが・・・そう思う。

山頂から見る一番奥の左御神楽岳と右日の尊倉山
五剣谷岳の浅井で御座います
山頂から左矢筈岳、右は青里岳、真ん中にはうっすらと守門が
見える

銀太郎山を出ると確かに藪であった。
しかし、藪漕ぎと言うほどの藪ではない。
リョウブが混んできた頃、雪場に出る。
しばらく雪を踏み、すこし藪へ入る・・また雪場へ。
広い平地の雪場に向かって歩いていると、なんと人に出会った。
失礼ながら大ベテランの面々で3名のパーティーであった。
人の良さそうな温厚な紳士達で、気軽に挨拶してくれた。
こういう所で遭う人は、得てして取っ付きにくい人が多い中、ほっとさせられる。
大ベテランの方の1人が、気をつけて・・と私達に言葉を掛けてくれた。
 広い雪の場所を過ぎると、しばらくはずっと雪を踏めず、藪?の中を歩く。
藪と言っても、道型は明瞭であるが、繁茂している時期には難しいかもしれない。
ブナの原生林の中なので、藪にはなりずらいのであろう。
 そこを過ぎると、最後の雪場になる。
行きあった方々のトレースは、いかにも慎重に下った形跡だ。
平井氏は相変わらずぐんぐん先を行っている。
一歩づつ正確に、雪を踏み高度を求めてゆく。
山頂近くになり平井氏は何かを探している。
山頂は何処なのか探しているようだ。
行き遭った方々のトレースは青里岳方面からとなっているため、不思議であったようだ。
しかし、左手の藪を見れば、ミズナラの低木に鉈目が刻まれており、一目で山頂方面とわかる。
数分で、地味な山頂に着いた。
三角点と、完全ではない山頂看板が地面に落ちていた。
地味な藪の山頂を精一杯広くするよう刈払われた感じであった。
ここ五剣谷岳、青里岳、矢筈岳などが川地の核心部なのであろうか、あたりは一面の山の海である。
原始が残されている山地である。
しかしながら、それゆえに求心力のある山として人気は高く、細かく鉈目が入ったりしているのかもしれない。
遠く矢筈岳と青里岳の間から守門岳は見える。
山頂から見る青里岳は近そうに見える。
2人とも冗談で、これから行ってくるか!と言い合う。
未だ体力も残っているので、出来ない事はなかろうが、プラス3時間はピストンに要するであろう。
空模様も大分曇り風も出てきたので、冗談はそのくらいにして下る事とする。
銀太郎山までは、半分以上雪を踏めるので、心なし気分は悪くない。

銀太郎山に着き、銀次郎山方面を見ると、先ほど行き遭った3名が稜線を登っているのが見えた。
早く追いつきたいので、心なし早めにスタートする。
このコースは下りとはいっても、木六山まではむしろ登山と言っても過言ではないほど登り返しがある。
ようやく登りきると、先行3名が居た。
「いやぁ、早いですねぇ」と言ってくれる。
「いやいや、荷物が軽いので、・・」と謙遜。
聞く所によると、長岡の山岳会のOBの方で、メンバーの誰かが73歳であり、その誕生会をこの山行きで行った模様であった。
オヤジさん達は、1泊目を五剣谷岳で幕営し、2日目は青里岳をピストンしたようであった。
3日目は下山に費やすと言うことであった。
話をしているうちに、毛猛は今はどうなのか・・と言う話が出、最近の事を教えた。
以前に未丈ヶ岳までの縦走や、色んなバリエーションで桧岳まで行かれたことのある方が居て、話しをしていても楽しかった。
73歳で、さらに毛猛を再度チャレンジすると言う気概は、恐るべしといえよう。
未だ話し足りないようであったが、適度に話をまとめ親父さん達と別れた。
「毛猛の事を聞こうと、役場に電話したり営林署に電話しても埒が開かず、情報源に困っていた矢先で、良い情報を得ることが出来た」と喜んでくれた。

銀次郎から再び下りとなる。
アップダウンのあと、だらだらした地形となり、雪を踏むと七郎平となる。
七郎平で平井氏とワインを飲む。
あまり登り返しの事は意識しないでいた。
休憩後、急登の雪場の斜面を強烈なグリセードで一気に滑り降りる。
相当低くなりほぼ鞍部となる。
ここからだらだら登りと、普通の登りを繰り返し、基本的に登り返しとなる。
ワインが利いてきて、心臓がさらに動悸をうつ。
これでもかと言うほどの登り返しを行うと、木六山に着いた。
木六山に着き足を止めると、3名の登山者が居た。

木六山から眺める。左から銀次郎山→ニセ銀次郎→五剣谷岳→銀太郎山

「こんにちわ」、消え入るような声で挨拶する。
宴会が終了し、後片付けをしている図であった。
写真を撮り始めているので、撮ってやりましょうか?と促す。
しばらく平井氏と休憩する。
あとはほぼ下るのみの行程であり、先は見えてきた。
1時間半も歩けば悪場峠に着くはずである。
来た道を振り返ると、遥かかなたに銀次郎山は見える。
最初、剣のようなので、アレが五剣谷なのか?と思っていたのが銀次郎山であったのだ。
その奥に居るのか居ないのか解らないようなシャイな、隠れるように立つピーク。
それが五剣矢。
木六山から見るそれらの山々は、まるで異国の地のように遠い。
人など行けようなどと思えようか。
平井氏が木六山の3名に開口一番言われた言葉、あんな所まで行く人は化け物だ。
しかし、好きであれば、ごくあり触れた私のような並以下程度の体力でも行けるという事は言えよう。

途中の素晴らしいトウゴクミツバツツジ軍

木六山を下りながら、花やスラブを見ながら下った。
平井氏と一緒なのだが、歩いている時は平井氏が殆ど先を行くので、気分は単独行だ。
自然の中の不思議な現象や、解らない虫、植物、鳥の声が存在すると、平井氏は地蔵様のようにいきなり登山道にたたずんでいる事がありギョッとする事がある。
いまの所、彼の疑問にほぼ答えられる事が出来ているようだ。
13日の毛猛の慣れなのか、思ったより足の疲れはない。
下りもぐんぐん行ける。
 悪場峠ももうすぐと言う所で、女性の2人組みに遭った。

会越の御神楽の周辺、入広瀬寄りの下田山塊、そして今日行った銀次郎あたりの周辺の山々。
川地を知れば知るほどその魅力に嵌っていくであろう。
そして、ホームグランド守門、浅草。
山は大人のディズニーランドだ。

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