12月12日守門エデシ尾根

 散歩がてらシロを連れ、守門大原口へ向かう。途中、ブナの樹を観察したりジャゴケを見たりする。
今までゼニゴケと思っていたが、ジャゴケであった。
大原登山口の近くに柳の樹があり、そこに三つ程カマキリの卵がついていた。カマキリは卵を生むと雌雄共に死ぬと言う。卵だけが越冬するのである。発泡スチロールのような卵は断熱効果があるらしい。
カマキリの卵の位置で、大雪か小雪かの判断がなされることが多いと聞く。今年はせいぜい高くても3m未満。
小雪なのであろうか。
雪に上には、クモガタガガンボやカワゲラも歩いている。この寒い時期に活動する彼らは、逆に天敵が居ないので生き伸びれるのだと言う。あらゆる自然現象にも、大きな意味があると言う事なのであろう。
 あまり乗り気はしなかったが、せめてエデシ尾根くらいまでは行ってみようかと、クラストした登山口を歩き始める。
今日の目的は、ブナの根曲がり下部に付いている、突起物の画像を撮る事がメインである。物凄く地味な行為であるが、長年不思議に感じていたことであり、記録にだけは取り合えず残しておこうということである。
見れば、ブナだけではなく、ホウノキを除くある程度の樹種の根曲がり部に、それはあった。
大木となり、立派な支持根を持つものには、その突起が無い事に気づく。
稀に1本だけ、その突起物から長い根のようなものが出ており、やはり根なのであろうかと考える。
下手な鉄砲、数撃チャ当たる・・的な発想で、絶えず、新たに支持根のようなモノを出しておくのであろうか。
かなりの年月を掛け、数え切れないほどの突起物を小出しにし、その中の数本が支持根として大成するのであろうか・・などと想いをめぐらせてみた。
 登山道の積雪は約30cm、小さめの狩猟用の輪カンジキ装着の足回りだが、下雪があまり無いのでぬかる部分はぬかる。それでも、さほど歩き難いと言う感じはしない。
シロはエデシ尾根の最後の登りを、雪に阻まれ苦労している。シロのケツを押し上げエデシ尾根に着く。
勿論、ここから先は行く予定も無い。
そそくさと下る。
途中ヤマツツジを見る。ヤマツツジは半常緑性で2種類の葉を持つと言われている。今残っている葉は「夏葉」で長さ1pほどである。夏に葉を出し、冬を越すと言われる。一方、早春に葉を付けたものは秋に葉を落とすようだ。ツツジが主に生活する場所は、痩せ尾根などの場所が多く、降雪期間は比較的短い為、光合成の期間を長くとれると言う戦略なのであろうか。
そう言う生き物や植物を見ていると、人間達の・・戦略・・勝った負けた・・生き残り・・・だとか、如何にも殺伐としていると感じる。
 ユキツバキも、この雪国だからこそ生きられるのだ。ユキツバキは寒風などの寒さに弱い植物と言われる。
雪の中になることによって、保温され生き続けられるのだと言う。
車道に出ると、大原から大原登山口までの間、夥しいタニウツギの樹がある。これらは群生しており、花も多く見応えがある。種子は既に落ち、殻だけが未だ沢山残っている。タニウツギの寿命は短いため、毎年多くの花と種子を付けるのであろうか。
 登山とも何とも言えぬ歩きであったが、軽く3時間弱で有意義な一時であった。

突起物は根になるのか、これがそれなのか

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