9月19日 浅草岳

 登山道整備の2日目である。
欠壊地をバイクで通過し、ネズモチ平ら平登山道からカッターを担ぎ出発。
ふたつ目の沢を過ぎたあたりから続きを始める。
草はあまり多くなく、順調に作業を進める。
あたりは、濃いガスに覆われまったく静寂である。
祭日でありながら、この天気と道路状況で、まったく人気はない。
秋の風物詩、岩肌にダイモンジソウが咲いている。
山の中でたった一人で草刈をしていると、いろんな事柄が頭に浮かんでくる。
残念ながらネガティブな事柄が多い。
それを払い落としつつ、しかしまた同じ思考パターンを繰り返し、作業は進んでいく。
機械の調子が悪いのか、燃料の減りが早いように感じる。
開始して、4時間、ようやく浅草岳眺めに着いた。
もちろん、あたりは真っ白で視界はない。
 そこらへんのあり合わせの食材を、弁当という変哲もない容器に叩き込んできたのみの弁当を開ける。
やはり気持ちのこもって居ないおかずは不味い。
まるで燃料を供給するがの如くの食事を済ませる。
これからいくら急いでも、あと4時間から5時間は必至である。
遅くなるのを覚悟でヘッドランプを持参した。
何がなんでも今日中に叩いておかないといけない。
 15時、ようやく前岳直下まで来た。
木道の上で腰を伸ばしていると、眠気が襲ってきた。
少し寝た。
 このまま寝ていようか、・・ヌマガヤが揺れ、現実に引き戻された。
前岳直下からの木道は、いやらしいチシマザサの細かいものが密生している。
伐りづらい。
あちこち、石を叩いたりして歯はぼろぼろになっているから尚の事。
登山で歩く際には、あっというまであるが、作業では以外に時間が掛かる。
17時半、ようやく山頂に着き、作業終了。
カッターを肩に担ぎ、秋めいてきた前岳の草原を後にする。
前岳の草原は草紅葉が始まりかけていた。

ぼんやりとしたヘッドランプの明かりは歩きずらい。
辺りはやはりガスが濃く漂っているようである。
こういうのを幻想的というのであろうか。
不思議と暗い登山道は結構良いものだと、味わいながら下る。
暗い足元を外さぬ様、1時間半掛けてネズモチ平ら登山口に着いた。

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