4月17日 守門山塊烏帽子山・駒の神

 数日前から、烏帽子山行を考えていた。
山仲間を誘って行こうと思っていたが、皆土曜に登っているようなので、単独行は覚悟していた。
 過去に何度が撤退している山・・烏帽子、近そうでなかなか寄り付かせてくれない手強い山でもある。
単独行に違いないが、シロと一緒なら多少話し相手にもなる。
一方的な会話のみであるが。

黒姫の登り口には、1台の車があったのみであった。
フロントガラスは凍っており、ブナ原生林あたりで幕営しているのであろうか。
 黒姫橋は、両端からの雪解け水でオーバーフローし、靴に水が入りそうだ。
橋を渡り、シールを付けた板で歩き始める。
林道終点までは、25分位で到着し、良いペースである。
二ヵ所ほど、右岸尾根からの雪庇崩落痕が見られたが、大きなモノは出ていないようだ。
沢を離れ、上黒姫沢右岸尾根方面に向けて進路をとりなおす。
870m付近で、予想した通り幕営の2名が居た。
シロが何かを物色しに近づいて行ったので、軽く誤りつつ挨拶を交わし上を目指した。
昨日のシュプールはかなり多く見られた。
弧は均等に描かれ、レベルは高いと思われる。
1030m平地から、1423m駒の神方面に進路をとり、登ってゆく。
稜線の窪地で、シールを取る。
最初、ここにスキーをデポして歩きで行く事を考えたが、袴腰〜烏帽子稜線までは結構距離がある故、時間短縮のためスキーで行く事にした。
駒の神直下で、斜面を横切り始める。
まっすぐへつるだけなのに、結構時間がかかっていた。
袴腰からの急斜面が終了した辺りの、矮生したブナの木の穴にスキーをしっかり差し込む。
 ここからは歩きとなるが、足は山スキー靴スカルパである。
ゲレンデ専用靴では重すぎて話しにならないが、山スキー靴は軽量であり、そこそこ軟らかい。
それも一番安価な代物であるから、歩きは良いが滑るにはちょっとソフト過ぎて怖い面もある。
ただやはり、そこはスキー靴、疲れは藪漕ぎから始まった。
稜線から見る藪は、あまり多くなく心配はして居なかったが、結構藪に入らねばならないようだ。
急峻な場所では、雪もずたずたで黒姫の山容と大きく異なる。
藪は、ミズナラ矮生、アカミノイヌツゲ、ハナヒリノキ、マルバマンサク、サラサドウダン、ノリウツギ。
それに嫌らしいクロヅルの蔓が絡み付いているのだ。
それでも良く見ると、カモシカの獣道らしい感じで歩きやすい所もある。
藪は、全部で3回入る。
いつも思うのは、稜線からの烏帽子は近く見えるということである。
しかし、現地に行くと遠い。
一つ山越えると、さらに遠く感じてしまう。
ストックも小さくし、ザックに入れ、山頂直下でザックも置きとりあえず、ピークハントする事にした。
考えて見れば、この烏帽子、急峻で岩山なのである。
山スキーとしての価値もなく、岳人の対象外の山なのであろう。
しかし、身近に守門と対峙でき、眺める場としての価値は大変の大きいと思った。

山頂に付く頃から、空は一気に暗くなり始め、急いでデジカメ撮影をした。
下りは、コースも解りスイスイ藪も下れる。
スキーデポ地に着いた頃には、辺りは濃いガスに覆われてきた。
このまま、袴腰までスキーで行こうか・・などと考えながら、呑気に階段登行で登る。
袴腰が近いのか、斜面は恐ろしく急になり、エッジも利かない様な斜面になった。
このままへつって行けば、稜線に出るであろうと歩き続けるが、結構遠い。
おまけに近くはガスで見えず、不安になってくる。
稜線のような感じになり、どうやら袴腰からの下り稜線に取っ付いたようである。
前が見えないので、ゆっくり滑る。
見覚えの有る地形に着き、多分もう直ぐで駒の神であろうと推測する。
駒の神に着き、今度は来た時のトレースを探す。直ぐ乗り、安心する。
シールを置いておいた窪地に着き、シールを回収しようとするが、ない。
どうやら飛ばされたようだ。
ガスでも切れていれば、探しようもあるが、このガスでは探すのも危険だ。
 当初、黒姫にでも寄って帰ろうなどと考えていたが、このガスでやる気も失せ帰りを急ぐ事にした。
ブナ林の中に、同じ防寒具の集団が休んでいた。
スキーはとにかくどんどん下り、あっという間に車の所に着いた。

今回は、スキーと歩きを効果的に用いたので、比較的短時間で至れたと思う。
4回目でようやくピークを踏めた。

出発6:25  林道終点6:50  沢7:00  870m平地7:55  1030m平地8:20  1328m左ピーク直下平地8:45
稜線9:15  袴腰〜烏帽子線1320m付近(スキーデポ地)9:45  1250m10:00  1296m直下10:25
1296m10:50  烏帽子山頂11:20   1320m付近12:20  袴腰直下稜線13:05  駒の神13:25
滑走開始13:30  着14:20

稜線からの烏帽子山全容 稜線裏をへつるシロ
破間川源頭 烏帽子山山頂から鞍掛峠
烏帽子山山頂から守門岳と大岳 烏帽子を振り返る

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