5月27日 田子倉より浅草岳

 6時45分の只見線に乗り出かけた。
のんびり気分に浸れば良いのだが、足の痛いのが気になる所である。
慌てずゆっくり歩く事と決める。
20分ほどで田子倉駅に着いた。
歩き出すとやはり足が痛い。
登山口には四駆のジープが1台停車しているのみである。
誰かが登っていてくれれば少しは安堵するものである。
歩き始めて15分ほどで道木沢,幽ノ倉沢を渡渉する。
つい最近、只見町の方々によって橋が架けられている。
只見尾根の登山口は、およそ標高520mほどであり、標高差は1065mである。
しかし、尾根への取っ付きまでの距離は以外に長く、
標高差100mをクリアするのに20分計算でも3時間40分必要になる訳で、
それに距離を加味すれば、ゆうに4時間は見たいコースではある。
5月1日に登った時には、「雪また雪」という感じであったが、今は大分雪もなくなり殆ど夏道が露出している。
30分強で、大久保沢の水場に着いた。
アカショウビンやって来たらしく、盛んに鳴いている。
ここで水筒に水を補給し、これからぐんぐん標高を稼ぐわけである。
1時間15分ほどで、尾根の取っ付きの「田子倉眺め」に着いた。
ここで手帳に書き込むべくボールペンを崖下に落としてしまい、記録(記憶)が曖昧である。
思ったより気温が高く,サマーセーターのような物を着ていたので少しバテ気味であった。
5分ほど休憩し,再びのらりくらりと歩き始める。
運良くジュウイチとホトトギスを見る事ができた。
カッコウとツツドリも見た事があるので,一応警戒心の強い彼等を全部見たということになろうか。
ジュウイチは如何にも切羽詰まった鳴き声ではあるが,あとのカッコウ,ツツドリ,ホトトギスは,如何にも長閑という感じがする。
しかし、長閑なイメージとは裏腹に,飛んでいる姿はシャープで切れがある。
 さらに30分歩き、剣が峰を経て鬼が面山眺めに着く。
ザックの中を探っていると,思いがけず,白いティーシャツが入っており,早速着替えた。
他に何か入っているので,開けてみると「シロ」用のドッグフードが入っていた。
2〜3粒口の中に放り投げてみると,「まずい!」。
肉の味が少しあったり,甘辛いような微妙な美味くない味である。
メーカーも一応,塩分規制したり,健康に良い物を考えて作っているようである。
薄着に着替えたせいか,コンスタントに休まず登る事ができた。
花の季節の到来か、エチゴキジムシロやオオバキスミレ、イワカガミ、タチツボスミレ、カタクリなどが一斉に咲き乱れ、
いささか伏兵的な花々ではあるが、見事な群落となっている。
その他、オオカメノキ、タムシバ、ムラサキヤシオなどがあるが、タムシバはすでに下がり始めている。
岩壁に身を投じるように咲くムラサキヤシオは特に鮮烈に写る。

ほぼ休まず,急登の九十九折を約1時間,ようやく浅草岳山頂に着いた。
とりあえず、目標の3時間を僅か5分切る事ができた。
誰も居ない山頂で,10分ほど寛ぐ。
他にやることもないのでネズモチ平方面に下山する。
前岳付近は相変わらず、膨大な雪渓が残っているが、その量は極めて多いとは感じない。
ネズモチ平ら登山道では,ツバメオモトが沢山あり、なかなか見ごたえがあった。
ブナ曽根で、11時を過ぎたので、早目ながらも昼食にすることにした。
相変わらずのブユ攻勢ではあるが,思ったより攻撃性は無いようで,ただ集っているだけの感もある。
握り飯を頬張っていると,目の前のブナの木にオオルリが盛んに囀っている。
にぎめしを平らげる間中,良い音楽を聞かせ続けてくれた。
斜度が緩くなってくると,雪が再び現われ始め,少し解りづらい箇所には,赤布をぶら下げる。
1時間半掛けてネズモチ平ら登山口に到着した。
ここまでの車道は,未だ雪に覆われている箇所が何箇所かある為にここまで車の乗り入れはできない。
一昨年は5月23日にネズモチ平登山口まで車でほぼ来れたのだが、今年はやはり少し遅いようである。
しかし、30分も歩けば,アスファルトの終点となり,数台の車が停車されてある。
今日は妻に迎えを頼み、電話が通じる所まで歩きとなる。
田代平入り口付近で携帯を取り出してみると、通じるようなので、ここで待っている旨伝える。
今日のコースでは、さしたる危険な箇所も見られず、ほぼ良好といって良いかと思う。

田子倉登山口 大久保沢の水場付近のブナの原生林
只見尾根より浅草岳 鬼が面山眺める鬼が面山

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