7月14日 吉が平〜入叶津

大雲沢ヒュッテのイベントとして2名の方が参加した。
当初、4名ほど御希望の方が居られたが、仕事の都合の為参加できないとの事であった。
前日、大雲沢ヒュッテのバスを入叶津に回送し、当日は妻の車で吉が平まで送ってもらうつもりであったが、
雨交じりであり、万が一の時の為にHさん御夫妻の車と共に吉が平に向かった。
雨足も強くなったりして、心の中では番屋山と雨生が池にでも行って帰ってくることも考えていた。
Hさんの旦那さんの方は、やる気十分で、奥様を励ますという図であった。
「とにかく、天気の具合を見ながら歩き始めましょう」と6時25分に歩き始める。
椿尾根までは、1時間30分ほど掛かると予想したが、割と早く到着した。
番屋乗り越しはほぼ予想していた時間で到着した。
雨も完全に上がり、幾分日も差し加減であり、とりあえず田代平を目指す事にした。
田代平まで行けば、木の根茶屋付近手前で携帯電話の入るところがあり、そこで緊急の連絡も取れるからだ。
 番屋乗り越しを過ぎると、北側に粟ヶ岳が見え、素晴らしい景色を堪能できた。
景色をゆっくり眺めたい所であるが、崩壊地のへツリであるが故に慎重に歩行する。
火薬跡を通過し、幽玄なブナ林に入る。
Hさんは盛んにビデオ撮影をし、地図と照らし合わせ現在地を特定している。
 歩き始めて4時間後、高清水沢に到着した。
Hさん御夫妻は、大部調子が出てきたようであったが、私の方は逆に連日の疲れからか、不調となってきた。
休憩もそこそこに出発した。
高清水沢を過ぎると、オオイタドリが沢山ある平らなだらだらな道を歩いてゆく。
7/3に歩いた時に較べると、随分と草が生い茂っている。
ここからは焦っても仕方ないので、ペースを十分ゆっくりに設定する。
鞍掛峠直下の残雪のあるところでは、ゼンマイが丁度良い感じで出ているものも有った。
そこから先もオオイタドリを中心とした草が覆い被さり、崩壊地では踏み跡さえも不明になる所も有った。
そんな我慢較べのようなトラバースを繰り返し、ようやく正午過ぎに鞍掛峠に到着した。
田代平でゆっくり休憩したいと思い、Hさん御夫婦の意見も伺いながら、田代平を目指した。
田代平には12時45分くらいの到着であった。
近来に無くトキソウが咲き、思いのほか花畑を堪能できた。
秀峰黒姫もくっきりと姿を現し、守門岳袴腰の鋭鋒も現われ始めた。
守門岳袴腰にはガスが所々掛かり、田代平をバックにした図は絵になる。
Hさんはカメラのフィルムを絶やしたと言う事で、ビデオ撮影でカメラに収まった。
Hさんが、何か、解説しながら撮影して欲しいと言うが、生まれもっての口下手で、
ぼそぼそと怪しい解説に終始してしまったようだ。
私も、一応イベント結果としての報告文を書く予定も有るので、デジカメでお二人を撮らせて頂いた。

午後1時10分頃入叶津に向けて出発した。
昨日大雲沢ヒュッテに宿泊された私達の仲間がこのルートを歩いているのだが、
それにしてもかなり大人数の足跡が見られる。
何かのツアーがあったのだろうと推測する。
Hさん御夫妻は徐々に調子が出てきたようで、沢の凹部付近では
ペースが落ちるものの、あとは相当に速いペースで歩いている。
私達の前を歩いた大団体は、皆長靴の様であり、しかも割と足型が小さい事から、
中学生辺りの集団なのだろうと考える。
 道はかなり荒れ、泥濘も多い。
道のヘリを通るが、かなり藪の中まで入らないと歩けない感じだ。
私はずるいようだが、この道の状況を知っていたので予め長靴を履いていた。
化け物谷地を過ぎ、下りに差し掛かる頃、下方から子供達と思しき声が聞こえてきた。
徐々に道路が見え、長い山旅を終え安堵感が満ちてきた。
田代平からおおむね3時間であった。


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