7月12日 六十里越〜浅草岳〜入叶津

お客様のS様一行と行く事になり、朝一に入叶津に車を回した。
先発の皆様は、7時25分スタートで、私とSさんは1時間後のスタートであった。
追いつこうと意識してか、私もいささかペースが上がり、Sさんもかなり早足だ。
殆ど休憩も無しに、マイクロ中継局まで来た。
生憎のガスの中ではあったが、雨は殆ど意識せずに歩けた。
南岳尾根に取り付く斜面には、まだイワカガミが見られた。
南岳からはヒメサユリをふんだんに見れるのだが、時期が時期だけに殆ど終了している。
替わって、ハクサンオミナエシや、ミヤマウツボグサ、トリアシショウマなどが味な色で迎えてくれる。
時々ゴゼンタチバナやアカモノなども見られた。
ヒメサユリを期待したが、やはりかなり下部の方に行かないと見ることが出来ない。
 六十里越を出発して約2時間30分で鬼が面山に着いた。
鬼が面山の三角点の近くの地面を見ると、「先に行く、10時30分発」と書いてある。
私達が到着する先ほどまで、待っていてくれたようだ。
鬼が面山を出ても、勿論視界はガスの中で、ひたすら足を動かすのみだ。
垂直壁が現われ、黄色の花と青い色の花がある。
おそらくウサギギクとヒメシャジンであろう。
鬼が面山から村杉沢ガッチを経由し、ムジナ沢ガッチに到着する頃ようやく先発隊に合流した。
1時間の差があるので、随分とゆっくりと時間調整をしてくれたようだ。
鬼が面山山塊の花の状況は、丁度端境期な様で、今しばらくすれば色んな花々を見ることができる。
 前岳に着くと、桜曽根方向から人の話声が聞こえる。
この辺は浅草岳の銀座通りだから、話声も良く聞こえる場所だ。
浅草岳直下に新しくテラスが設けられており、沢山の人が休憩していた。
 先発隊は5時間強、私達後続隊は4時間強でそれぞれ山頂に着いた。
Sさん一行様を写真に撮り、他の人の写真を撮る羽目に・・。

1時を少し回った頃、入叶津に向けて出発する。
山頂から草原に至るまでの間は、雪解けが遅い為、未だヒメサユリが沢山見られ、蕾のヒメサユリも夥しい量あった。
避難小屋付近ではシラネアオイも有り、ムラサキヤシオツツジやサンカヨウも咲いていた。
下りはとにかく早い。
後ろから迫ってくるので、自ずと私自身も煽られ気味で早くなる。
 とにかくこのコースは、ブナ林の原生林が楽しめ、森林のフィトンチッドを十分吸収できる。
以前、生前の石の森章太郎先生が、「衣替え」ならぬ、「心替え」という漫画を書いていたが、
まさにそんな、心替えもできそうな森である。
 大ベテランの「会長さん」と呼ばれた方は既に76歳と言っておられたが、全く健脚である。
こんなタフネスな76歳は見たことが無い。
そんな事で、周りの景色そっちのけでペースをアップして下ったので、3時間もかからず下山口に到着した。

到着したが、バッテリーをあげてしまい、うんとも寸とも言わない。
Sさん一行様は、これから温泉に入って帰ると言うのに、なんだかんだと遅くなってしまい、
迷惑をおかけした。
 今回のコースは、浅草岳のゴールデンコースで有り、今の時期ヒメサユリは望めないと帰られる方も居るかと思うが、
少し足を伸ばせば、天狗の庭近辺にはまだまだ沢山咲いており、これからも咲くものも多数ある。
天気が悪くてもそこそこ楽しめるのであるから、良ければ尚の事楽しめるコースなのである。

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2003年山歩き