6月23日 六十里越〜浅草岳ピストン

9時25分に六十里越を出発。
今日の足回りはスパイク付の地下足袋である。
本日の目的は、登山道の状況のチェックと、植生の具合を見るための山行きである。
看板の文字が消えているのも気になったが、生憎マジックを忘れてきていた。
 この登山道は、しばらくの間、送電線の巡視路が有り、間違いやすい。
幸い、なんとか文字が見え、取りあえず今日は勘弁していただく。
県境に向けてしばらく平坦な気持の良い山道歩きである。
水気のある所には、ミズタビラコやキュウリグサ、登山道脇に日当たりの良い個所にはニガナがある。
時折、タニウツギも見られ、ツルアリドウシが可愛らしい花をつけていた。
県境には9時50分についた。
ここからはしばらく急登である。
送電線の脇を通り、樹林帯に分け入る。
とても小さく、地味すぎるほど地味であるが、ミゾホウヅキも花も付けていた。
ゆっくり歩を進め、登山口を出発して、約1時間でマイクロ中継局に到着した。
マイクロ中継局の周辺は、人手が入っているので、ハルジオンやらカキドウシなどの里の花々も見られる。
マイクロ中継局からしばらくの間は、旧六十里街道の山道である。
下を見ると、見事なツルアジサイがブナの枯れた大木に捲きついている。
街道周辺には、ホウチャクソウ、オオバユキザサなどがある。
吹き峠の分岐には10時40分に到着した。
そこから右に折れ、しばらくは緩い山道を登る事になる。
山道の脇には、サワハコベや、タニギキョウが小さな朴訥な花を付けている。
途中、ブナの木が倒れかかっているものが数本有り、それをゴム太郎で切り除去する。
林床には、サワハコベやタニギキョウの他に、サワフタギ・チゴユリ・マイズルソウ・ユキザサ・ツルシキミ・ツクバネソウ・
サンカヨウ・イワナシ・エンレイソウ・タムシバ・ショウジョウバカマ・カタクリ・ムラサキヤシオツツジ・アカモノ・ゴゼンタチバナ・ウラジロヨウラク・
ナナカマド・タケシマラン・イワカガミ・オオカメノキ(ムシカリ)の花があった。
それらの花を見るうちに、鬼が面山の稜線の南端(南岳)に着いた。
南岳には作業をしたりしていたので2時間要した。11時25分である。
軽く食事をとる。
この稜線には沢山のヒメサユリが有るが、南岳付近が一番早く咲き始める。
よって、一番早く終わる。
南岳付近もやや終わりに近い感じであった。
登山道脇にはヒメサユリの他に、オニアザミ・ネバリノギラン・ハナヒリノキ・ベニサラサドウダン・サラサドウダン・ヤマグルマ・
カラマツソウ・スズタケなどが開花していた。
鬼が面山手前500メートル付近では、最近ようやく融雪したばかりと見え、
ミツバオウレン・ツマトリソウ・オオバキスミレ・がある。
また、アカミノイヌツゲやコメツツジ、ヒメサユリの、それぞれ開花初期の状態も見られた。
 鬼が面山には12時10分に到着した。
私の最高記録では、ここまでで2時間というのが有るが、今日に至っては2時間45分も掛かっている。
作業をしながらとはいえ、随分のペースだ。
鬼が面山付近では、オオバツツジも見られ、ガクウラジロヨウラクも見られる。
鬼が面山から村杉沢ガッチまでの間は、ヒメサユリは良い感じである。
登山道脇の、オオバギボウシも花をつけ始めている。
 村杉沢ガッチ(北岳)には12時35分に着いた。
北岳を過ぎると、しばらくヒメサユリは見られなくなる。
かわって岩壁には、ニッコウキスゲもお目見えし、グンナイフウロなども多少残っているようだ。
急な斜面を下り、再度登り、狢沢ガッチに13時05分に到着した。
ミヤマダイコンソウ・ハクサンオミナエシ(初期)・ウスユキソウなども岸壁に見られる。
よく観察するとムシトリスミレのようなものも見られた。
狢沢ガッチを過ぎると再びヒメサユリが見られ始め、最後の前岳への登りが待っている。
前岳尾根を抜けると、そこには別世界が広がっていた。
明らかに地方道から幹線道路に突入・・の感がある。
イワイチョウ・ワタスゲ・トキソウ・ミネカエデ・ツマトリソウ・・それぞれに味わいがある。
主役はやはり姫か・・、個人的には、ワタスゲと池糖のコントラストが好きである。
山頂直下のテラスに13時50分に着いた。
4時間25分という長丁場であった。
福島市から来られた方が1名居たのみで、軽く食物をとり、14時に折り返して出発した。
ムジナ沢ガッチ14時40分、村杉沢ガッチ(北岳)15時15分、
ここら辺で頭の上をホジガラスが飛んでいるのを見る。
鬼が面山山頂15時35分・・40分発、南岳16時15分、吹き峠分岐16時40分、
マイクロ中継局16時55分、福島県境17時20分、六十里越登山口17時40分。
かなり疲労したが故に、本来の浅草岳の良さを確認できた日だった。

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