11月15日 守門岳

9月・10月と体調不良や、野暮用、仕事の多忙などで山にはあまり行けなかった。
数日前、宿仲間の喜楽荘さんが来て、「俺と音松荘さんは浅草岳にロープ撤収に行ってきたので、
守門岳の方を片付けて欲しい」と言われていた。
金曜日か土曜日にでも、・・・と考えていたが、昨日は畑仕事の為、山に行くのは断念した。
今日は土曜日ではあったが、シーズンオフの為、仕事は無しである。
無し・・・というのは、仕事が無いというのではなく、お客さんが居ないということなのである。
仕事は山ほどある。でも、ロープ撤収は雪降り前に何とか終わらせなければならない。

大原登山口には、車が既に4台停まっており、数百メートル以遠では何人かの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
今まであれば、生意気に、そういった人を追い越そうなどと頑張ったものだが、
今回は体力にも自信がなく、ゆっくりとマイペースで登る事にした。
できれば、その方々に後ろからゆっくりと付いて行きたかったが、結局私が追い越す羽目になってしまった。
それこそ、今までは守門岳登山など、朝飯前のノリであったが今日に至っては、とにかく遠く感じる。
 今日の目標は、情けない話だが、3時間半位で山頂に至れれば・・・と思っていた。
相当ゆっくり来たのだが、見晴台まで1時間15分で到着した。
何とか3時間は切れそうである。
山頂付近には、およそ2時間30分強で到着した。
山頂手前からイボ竹に虎ロープが巻きつけられていて、それを早速ほどき、イボ竹も抜いてゆく。
作業をしていると、「浅井さん!!」と、声をかけられた。
なんと、山仲間のYさんであった。
Yさんとは、色々と一緒に山行を行ってきており、当宿の常連さんでもある。
ちなみにこのYさん、当ホームページにリンクさせていただいている、人気ホームページのオーナーだ。

色々と楽しい話をし、私は用があるので早めに下り始めた。
木々はすっかり葉を落とし、既に冬支度をはじめている。
マンサクの木には、実の抜け殻と、マンサクの木特有のアブラムシの虫嬰の抜け殻がぶら下がっている。
ブナ林の中に青く見えるのは、ユキツバキかチシマザサ、エゾユズリハなどである。
それらは、どういう地形に分布しているのか・・など、考えると興味は尽きない。
登りでは、あまり余裕がなかったが、下りながらそこら辺を観察していると、クリタケの老菌がかなりあった。
ナメコも若干見られたが少ししかないので、採るに値しないのでそのままにしておいた。
この時期の山は、見るべきものもない・・と、よく言われるが、実は山を良く見れる時期でもある。
山を良く見れる時期として、今の時期と有雪期である。
山の形がはっきりと解るのが有雪期であるし、山の地肌や林床の様子、樹木の種類など、
遠目でもはっきりと見れるのがこの初冬であるからだ。
新緑時の鬱閉された緑の体内の中を歩くような登山道ではなく、登山道はすっきりと風が通り、
洗髪後の頭のような爽快感がある。
・・・何にもない・・それは、実は外見だけで、土の中にはじっと春を待つ生命達が星の数ほど存在する。
このように花や紅葉を求めて、多くの人々は山を目指すが、それぞれの季節毎の楽しみ方は無限に存在する。

久々のまともな登山に、下りでは滅法疲れ、ゆっくり下り、1時間30分掛けた。
汗も殆どかかず、こんな風にゆっくり登るのが、年齢に合った登り方なのだと思った。

守門岳山頂でYさんに会いました。 袴腰
下山口近くの冬枯れの原生林 見事なクリタケ

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